キャッシュフロー計算書の読み方を解説【8つのパターンから企業の実態を知る】

ANALYSE

困っている人
「キャッシュフロー計算書って何?」
「読めるようになりたい」
「何に使えるの?」

こういった疑問に答えます。

本記事の内容

  • キャッシュフロー計算書とは?
  • キャッシュフロー計算書の構造
  • キャッシュフロー計算書のパターン8つ

 
「黒字倒産」という言葉は、聞いたことがありますか?言葉のとおり、黒字(利益が出ている)にもかかわらず、手元の現金が不足して倒産するのです。

儲かっているイケイケな会社も、キャッシュフロー計算書をみたら、現金が足りなかった。。なんてことも。

そうならないように、理解したいところです。会計、決算書の本を12冊読んだぼくが、解説していきます。
 

キャッシュフロー計算書とは?


 
キャッシュフロー計算書とは、お金の流れをまとめた書類となります。会社にどれだけのお金があるのか、何によってお金が増減しているのかが分かります。

損益計算書をみれば、「会社がどのくらい利益を出したのか」わかりますが、「利益」となっても、お金が手元に入っているのとは限りません。利益ばかり重視しすぎて、現金回収をおろそかにすると

「利益が出ているのに、手元にお金がない。支払いがせまっているから、資金調達におわれる」

 
なんてことになります。そこで役に立つのが、お金の流れを明確にする報告書のキャッシュフロー計算書(C/F)です。

» 関連記事:損益計算書(PL)の見方とは?初心者でもわかるように5つの利益を読み解く
 

キャッシュフロー計算書の構造


 
キャッシュフロー計算書は、大きく分けて3つから成り立っています。

  1. 営業活動によるキャッシュフロー
  2. 投資活動によるキャッシュフロー
  3. 財務活動によるキャッシュフロー

 
「営業」「投資」「財務」の3つの活動によるキャッシュフローの意味を、みていきましょう。
  

営業活動によるキャッシュフロー(プラスが大きいほど良い)


 
営業活動によるキャッシュフローは「本業で稼いだお金」をあらわしています。つまり「儲けたお金」を明らかにしたものです。

  • 営業活動によるキャッシュフローがプラス → 本業でしっかり現金を手元に残している
  • 営業活動によるキャッシュフローがマイナス → 本業で苦戦しており、現金不足で苦しんでいる

 

営業活動によるキャッシュフローがプラスであれば「本業でしっかり現金を手元に残している」と判断できます。プラスが大きければ大きいほど良いとされます。

営業活動によるキャッシュフローがマイナスであれば、本業で苦戦しており、現金不足で苦しんでいることがわかります。マイナスが続く会社は、少し危険な会社とみてよいでしょう。
 

キャッシュフローマージン

どれくらい稼げているかを知りたい時には「キャッシュフローマージン」という指標を使います。

キャッシュフローマージン=「営業活動によるキャッシュフロー」÷「売上高」

 
※売上高は、損益計算書でも確認可能

これは、売上高に対して営業活動によるキャッシュフローが何%かを表します。
営業活動によるキャッシュ・フローが何%あればよいかは、業種によって差がありますが、一般的には売上高に対して「7%」の営業活動によるキャッシュ・フローを稼いでいれば、数字上は順調な会社ということができると言われています。
 

投資活動によるキャッシュフロー(マイナスが望ましい)


 
投資活動によるキャッシュフローは「どれだけ会社を成長させるために投資しているか」をあらわします。設備を購入するなどの投資を行えばマイナスになり、設備を売却すればプラスになります。

  • 投資活動によるキャッシュフローがプラス → 設備や事業を売却している
  • 投資活動によるキャッシュフローがマイナス → 設備を購入するなどの投資を行っている

 
成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、投資活動によるキャッシュフローはマイナスになります。つまり、マイナスが普通なのです。

チェックポイント

投資活動による減少が、営業活動による増加の範囲内に収まっていれば、設備投資などの規模は適正であるといえます。

逆に、営業活動による増加分を超えていれば、会社は外部からの資金調達を余儀なくされ、金利を払わないといけなくなります。

  • 営業 > 投資 → OK
  • 営業 < 投資 → NG

 
高配当株など、すでに成熟している企業であれば「採算の合わない事業を売却して、新規事業にのりだす」ことは重要なことなので、投資キャッシュフローは、少額のプラスとマイナスを繰り返しているのが理想です。
 
 

財務活動によるキャッシュフロー


 
財務活動によるキャッシュフローは「借入金や社債の発行および返済」と「株式発行・配当金の支払い」によるキャッシュの増減をあらわしています。

  • 財務活動によるキャッシュフローがプラス → 設備投資などのために借入れを行っている
  • 財務活動によるキャッシュフローがマイナス → 借入金の返済を行っている

 
財務活動によるキャッシュフローがプラスの場合は、資金が必要になった理由を確認することが重要です。

財務活動によるキャッシュフローがマイナスの場合、営業活動によるキャッシュフローの範囲内か確認する必要があります。
 

キャッシュフロー計算書のパターン8つ

タイプ 営業 投資 財務
1. 優良
2. 積極投資
3. 財務改善
4. 転換
5. 再検討
6. 大勝負
7. 融資途絶
8. 要注意

「営業・投資・財務」の3つのキャッシュフローがプラスなのかマイナスなのかを見るだけで、会社の大まかな全体像を把握できるという特徴があります。

  • 営業 → + : 本業でしっかり現金を手元に残している
  • 営業 → − : 本業で苦戦しており、現金不足で苦しんでいる
  • 投資 → + : 設備や事業を売却している
  • 投資 → − : 設備を購入するなどの投資を行っている
  • 財務 → + : 設備投資などのために借入れを行っている
  • 財務 → − : 借入金の返済を行っている

 

1. 優良タイプ(営業:+ 投資:− 財務:−)

理想的なキャッシュフロー

 
本業で十分な利益を生み出し、現金を確保、その分で投資を行い、借金も返済できているパターンで、財務状況に問題なしです。
 

2. 積極投資タイプ(営業:+ 投資:− 財務:+)

ベンチャー企業など成長しそうな企業

 
本業で利益を生み出し、外部から現金を確保して、事業に積極投資しているパターンです。投資した結果どうなったのか、営業利益が伸びているのか、確認必須です。
 

3. 財務改善タイプ(営業:+ 投資:+ 財務:−)

一部事業を売却し、財務改善を図ろうとしている企業

 
本業では、あまり利益を生み出せず、保有資産を売却して、借金を返済しているパターンです。事業を縮小してどうなったのか確認して、投資を行うのか、判断しましょう。
 

4. 転換タイプ(営業:+ 投資:+ 財務:+)

事業転換を図っている企業

 
本業で利益を生み出していますが、事業転換を図っており、保有資産を売却し、外部から現金を確保しているパターンです。事業転換している理由や事業内容を確認しましょう。
 

5. 再検討タイプ(営業:− 投資:− 財務:−)

過去に実績はあるが、事業が低調になっている企業

 
本業でお金を残せないので、過去生み出されたお金で投資をして、借金も返済しているパターンです。利益を生み出す事業に投資しているのか、確認すべきです。
 

6. 大勝負タイプ(営業:− 投資:− 財務:+)

大勝負にでて、再建しようとしている企業

 
本業で利益を生み出せていないが、外部から現金を確保し、事業投資を行っているパターンです。再建の効果が出るまで、投資しないほうがよさそう。
 

7. 融資途絶タイプ(営業:− 投資:+ 財務:−)

金融機関からの融資が途絶えた可能性がある企業

 
本業で利益を生み出せず、外部からお金が確保できないため、保有資産を売却して、借金を返済しているパターンです。投資するのは、やめましょう。
 

8. 要注意タイプ(営業:− 投資:+ 財務:+)

資金繰りがあぶない、倒産に一番近い企業

 
本業で利益を生み出せず、保有資産を売却し、借金をして、なんとか資金繰りをしているパターンです。投資するのは、やめましょう。資金が途絶え、倒産する可能性が高いです。

 

総合的に判断する!

損益計算書や貸借対照表と比べて、キャッシュフロー計算書はごまかしがききにくいです。

会社をより知るために、損益計算書、貸借対照表と連動してみることによって、より正確な経営分析を行うことができ、事業の成長に役立てたり、黒字倒産を回避したりできるようになります。

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